―東日本大震災により被災した岩手県気仙三十三観音霊場を再興するプロジェクトです―
ひとさじの会は、東日本大震災から、避難所や仮設住宅において、炊き出しや子ども会等の支援にたずさわってきた。しかし、それらの支援は、被災地の方々の立場で考えると、どれも一時しのぎのものでしかないと振りかえらざるをえない。その活動のなかから、心静かに手を合わせ、ほっとできるところがほしいとの声が聞こえてきた。それは、もともと日常の中に溶け込んでいた、祈りを捧げる場を求めている声なのではないかと直感した。
大震災で甚大な被害を受けた岩手県・気仙地域では、もともと気仙三十三観音霊場の巡礼が行われており、地元の人に親しまれてきた。昔から当たり前のようにそこにあった観音堂の存在は、家族の安寧を祈る場であり、亡くなった方に祈りを捧げる場でもあり、地域の方々の交流の場でもあった。また、たとえ少しの間、地域を離れていたとしても、大切な方の思い出を語りあう場となり得るものでもあろう。観音堂は地元の方の心のよりどころといってよい。
観音霊場の中には、津波によって堂宇・伽藍に壊滅的な被害を受けてしまったところ、管理者の住まいが被災されたところもあり、被害の程度はさまざまである。ひとさじの会では、岩手県気仙地域にかかわる行政、またNPOなど諸団体と連携して、気仙三十三観音霊場を再興し、被災地域に住む方々のよりどころとなる「祈りの道」を再興したいと考えている。加えて、全国の人々にお参りいただき、地域の活性化に寄与できればと考えている。再興には幾年もの時がかかるであろう。ひとさじの会は、地元気仙地域の方々の想いにそったかたちで「祈りの道」の再興を進めていきたい。
プロジェクト代表:福田亮雄
※活動の詳細は、「祈りの道 気仙三十三観音霊場再興プロジェクト」のHPをご覧ください。