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参加者の声(ボランティア)  ·  2016/03/28

◇命の灯火(文:日経BP社 日経ビジネス編集部/鵜飼 秀徳〈うかい・ひでのり〉)

夜の上野公園に遠雷が轟いていた。

いまにも大粒の雨が落ちてきそうな雰囲気だ。

 

桜がちらほら咲き始めた3月28日、私は「ひとさじの会」の炊き出しと

配食に初めて、参加した。

 

私は京都の貧乏寺の跡継ぎだが、普段は東京で雑誌の記者をやっている。

 

吉水岳彦上人とはある人物とのご縁で知り合え、今回、僧侶と記者の両方の立場で参加させていただいた。

 

「ひとさじの会です。おにぎりをお持ちしました」

 

最初は憚られた声かけも5人、6人とやっているうちに自然にできるようになっていった。

 

段ボールハウスの隙間を覗き込むと、おじさんの眼が光る。

そしてむっくりと起き上がって、おにぎりを受け取る。

 

「どこか具合の悪いところはありませんか」

 

上野界隈の「おじさん」達の多くは風邪を引き、胃を痛めていて、あっという間に薬がはけていった。

 

たまに遠くで稲妻が光り、湿気を帯びた風が吹き抜ける。

桜が咲き始めたが、まだ夜は寒い。

 

屋根があるところはまだいいほうかもしれない。

ベンチでシートにくるまっている人は、どうするの?

 

おにぎりをひとつ、ふたつと渡す作業を通じて、おじさん達の命が紡がれていくようにも感じた。

 

配食の前に渡されたショルダーバッグは肩に食い込むほど重くてびっくりした。

 

それが2時間で、2個だけになった。

ひとつひとつ、命を受け渡した。

 

そんな心持ちになりそうになったが、でも、「おじさんの命も、僕らと同じ命でしょ」とも思う。

 

ひとさじの会は、命に差をもうけない。

公園で寄添うカップルの命も、おじさんの命も同じ重み。

至極、当たり前のことなんだけれど。

 

夜の上野公園で、いくつもの命の灯火が、揺れていた。

せめて雨よ、どうか降らないで欲しい。

そう願った夜だった。     

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