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参加者の声(ボランティア)  ·  2016/05/16

◇ひとさじの会配食活動に参加して(文:慶應義塾大学文学部 S.H)

≪はじめに≫

先日、初めて、ひとさじの会の配食活動に参加しました。私は、大学の課外授業の一環として参加しました。大学には留学生向けに英語で行われている授業が数多くあります。

 

それらのうちの、“Japanese Buddhism and Social Suffering”と題された、日本仏教と現代社会について学ぶ授業を私は履修しています。

 

この授業では、現代の日本社会に浮上する様々な問題に、日本の仏教や寺院がどのように社会的に取り組んでいるか、ということに焦点を置いています。

 

今回、このひとさじの会の配食活動に実際に参加し、様々なスタッフのお話を伺えたことは、大変有意義なものであり、感じたこと、考えさせられたことが多くあったため、ここで述べていきたいと思います。

 

≪日本の貧困問題は他人事ではない≫

日本は、世界的に見ても、経済的にとても豊かな国である、というのが、ほとんどの人々の認識でしょう。私自身もそうでした。

 

一方で、路上で生活を送るいわゆるホームレス、という方々も一定数はいる、ということは、知ることには知っていました。

 

しかし、ふだん衣食住に不自由なく暮らしている私にとっては、彼らの存在は、いつも意識の外にあり、自分とは関係のないこと、と捉えていました。

 

今回、ひとさじの会の配食活動に参加したことで、これまでの自分の、日本社会の貧困問題に対する『無関心』を恥じるとともに、これから日本社会を担う一員としてどうあるべきか、何をすべきかを、考え直させられました。

 

≪何を配るか?何が必要なのか?≫

『配食活動』と一口にいっても、単に、『何か食べるものを配る』だけではなかったことに驚かされました。

 

この『ひとさじの会』の配食活動で配るのは、おにぎりです。このおにぎりは、様々な地域から、寄付されて集められたお米からできています。

 

そして、この貴重なお米を炊いて、ひとつひとつ丁寧に握っていきます。このおにぎりには、色々な人々の思いが、ぎゅっと込められているように感じました。

 

加えて、薬や衣服、その他路上生活の助けになる物も配っているということが、予想外でした。薬や衣服といったものは普段、私が生活していくうえで、身の周りに当たり前に備わっているものです。

 

しかし、路上で生活するとなると、これらの、あって当たり前のものがそう簡単には手に入らないのだということに、に初めて気づかされました。

 

また、季節によって必要なものが変わる、ということにも初めて気づきました。

 

これからの暑い時期は、虫刺されに効く薬が、路上で暮らす彼らにとって重宝するし、逆に、寒い時期は保温効果のあるエマージャンシーシートが役立ちます。

 

彼らが何を必要としているのかを常に考えて、支援をしていく必要性を知りました。

 

≪コミュニケーションをとる≫

配食活動の意義は、必要物資を支援するだけにとどまらないことを知りました。挨拶をしたり、体調を伺ったり、最近の出来事を聞いてみたり…、こうやって路上生活をしている方々の心に寄り添うことが配食活動のもう一つの意義であると感じました。

 

押し付けがましい支援ではなく、こうして人と人との暖かい関係を築いていくことが、彼らを本当の意味で支えることになるのではないでしょうか。

 

はじめて、おにぎりを配る際、私は、「不快な気分にさせてしまわないだろうか・・・?関わりたくない、とか、放っておいてほしい、と思われないだろうか・・・?」と緊張と不安で心が渦巻いていました。

 

しかし、実際に彼らとコミュニケーションをとる中で、「ありがとう」とか、「待っていたよ」といった声を聞き、こういった不安は一気に吹き飛びました。

 

こうしてコミュニケーションを積極的にとっていくことで、私たちの支援もより彼らの生活により寄り添ったものとなるでしょう。

 

また、お金や物が無い、という意味での「モノの貧しさ」だけでなく、寂しさや不安、孤独といったものからくる「心の貧しさ」をなくすための、もう一つの大切な意義ある支援となりえるのではないでしょうか。

 

≪日本社会の仕組みを考える≫

配食活動をする中で、多くの人々が路上生活を送る背景について、ひとさじの会のスタッフの方から色々なお話しを伺うことができました。

 

まず、路上で生活する人々を占めるのは、圧倒的に高齢の男性が多いということです。路上で生活する女性や子供は優先的に保護されます。女性や子供といった「弱者」は、社会全体で救っていかなければならない、という共通認識が人々の間に浸透しているからでしょう。

 

一方、高齢の男性は、比較的に後回しにされている感は否めません。結果、路上に残された彼らは、能動的に路上からの脱出を試みなければなりません。

 

ただ、きちんと手続きを踏めば、生活保護を受けられるのだから問題ないだろう、というのが一般の人々の認識です。

 

しかし、その「きちんと手続きを踏む」ことが、皆が思うほど彼らにとって簡単ではない、ということが、私にとって衝撃的な事実でした。

 

また、生活保護を無事に受けられても、受給されたお金を上手く管理できない事例が少なくない、という点にも考えさせられました。

 

路上生活者それぞれがそれぞれの困難を抱えていているこうした状況に、日本の行政が対応し切れていないように思います。

 

また、自治体ごとに、貧困対策の在り方も様々で、上手くいっているところ、そうでないところがある、ということも、お話しを聞く中で知りました。

 

私事ではありますが、将来、公務員として日本の人々の暮らしを支える仕事がしたいと考えています。

 

そうしたことからも、今回の活動は、貧困問題や路上生活の問題と日本社会の仕組みを今一度考え直す、有意義な機会となりました。

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