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参加者の声(ボランティア)  ·  2016/11/07

◇ひとさじの会に参加して(文:多谷保則)

寒さが膚にしみてくる11月7日、「ひとさじの会」にはじめて参加させてもらいました。

 

住居のある藤沢を1時すぎに出発して、3時ごろ緊張しながら台東区清川の光照院に到着しましたが、事務局長の吉水さんに歓迎していただき、その物ごしと笑みのやさしさにふっと安心しました。

 

ベトナム仏教会の方々も老若男女、3時すぎにたくさん集まっていました。仕事で日本にきている人が多く、向こうは片言の日本語をしゃべりながら、日本とベトナムの文化の違い、食物の違いなどを、たがいに好奇心に任せ、たずねあいました。

 

女性の方は、楽しそうにおしゃべりをしながら路上の人らのためにベトナムの春巻を油であげたり、ボランティアできた私たちにもハーブ入りの本格的なベトナム麺をこしらえてくれました。 

 

路上で寝起きしてお腹を空かせている人たちのためにすこしでもなにかしたいと時間を割き、近くから、また遠方からこの寺にあつまったひとらと、心をいれて握りめしをつくり、そうして作業に集中しながら、「どこからきたんですか?」などと照れながら聞きあったり、またまじめな話をしたり、その場は、なにかよきものが確かに生きている場所でした。 

 

瞬く間に時刻は午後7時すぎ、おにぎり250個をみなで握りおわって、医療品もバッグにつめ終って、少し休憩をして、7時半すぎに食物と医薬品を、分かれた数チームがそれをもって、浅草寺周辺の商店街、墨田川沿い、上野駅周辺を歩きはじめます。風もあり、さらに寒くなった夜でした。

 

私は浅草のチームに入りました。

 

商店街では間隔をおいて、50代後半から70代の人たちが、間隔をおいて敷き布団やダンボールを地面にのべ、ふとんや寝袋を身体にかけて横たわったり、あぐらをかいたりしていました。

 

と、その一つの場所に20代の若者が、どこかおびえてコンクリ-トの路上で、だれともつながらず、かえるばしょもなく、たよりなくうつむいていました。みかけはそのへんを歩いている若いひととかわりありません。 

 

そばに座って私は、「オニギリいりますか?」

「はい」と彼は小さな声でいいました。

 

手渡すと、「どうもありがとう」とまた小さな声。

「…おれらとりあえず、ツレになりましょう」 

と勇気をもっていえば、もしかしたら何かが、私じしんが、また彼じしんの何かがかわるかもしれないと感じました、

 

このあとここに共にしゃがみこんでサケでも飲んで話をかわせば、いろんなことが…すこしだけつながり、かわっていくかもしれません…

 

だが、若者はおびえた顔で一人になりたがって、私も気をつかって、弱気にそこをしずかに立ちさりました。

 

閉店した信用金庫のあがり段の上、そのスペースで、全身をすっぽり布団で覆いつくし、「オニギリです」と声かけてもまるでぴくりとも動かないひとがいました。

 

息をしているのかと心配で、ベトナムの若者とともに顔をよせると、胸が動いていて安堵の顔を見交わす。自己の生をとざし果てたようにそのひとは眠りつづけ、なんともたちさりがたい気もちがやってきます。

 

『人はだれもがしあわせを求めて生き、苦をもとめる人などいない』

仏の伝える声が胸にはっきりきこえるようでした。

 

自分たちの小チームの中に、その男の子にくわえて彼の彼女らしいベトナム人女性がいたのですが、二人がこの離れた国において、路上で過ごす人らに腰を低くおろして声をかけて、春巻やおにぎりを渡す姿にも普通に見えて尋常ならぬ澄んだものを見たようでした。

 

あるきっかけで困窮の日々に入った人を忌避せず、自分の時間を少しだけ犠牲にして少しだけ助ける、それは多少疲れても、まともな人と人とがまともに関わりあう社会のためにとても必要なこと。

 

だけど、多くの大人たちが、人と関わらないたくさんの理由をこさえて冷淡に、疲れうなだれた人らの前を、若者の前を通りすぎて行く、誰かのために何かしたい別の若者らも、その大人を見慣れて、やがて「何もしないほうがいい」とその表情の無い仮面の列に加わっていく。

 

ひとさじの会の存在は、そんな世の流れにまかせず、「そんなこと別にもういいや…」と屈しそうな人らの心を、あとおししてくれて、誰かとかかわることをごく自然に体験させてくれる気がします。 

 

夜10時過ぎ、少し足もくたびれておにぎり等を配り終えた各チームが、橋のたもとで合流しました。

 

「何があったか、どういう方がいたか」「風邪薬を求める人が今回多くいた」などなどチームごとに報告しあって散会。

 

また、この場に参加したいとおもいました。

 

最後に志をもって、「ひとさじの会」を長くやってらっしゃるお坊さんのことを書かせてください。 

 

事務局長の吉水さん、若いかたですが、自分の時間を捧げ、日本のこの今における仏の慈悲の実践をし、またそれをたくさんの人に伝える日々をおくってらっしゃいます。

 

吉水さんのやさしく輝く気配をみれば、僧侶の本来のありかたを感じられると思います。でも非常にきさくなかたです。

 

私がともに夜回り配食させていただいた吉水さんの同窓の金田さんも、初めてこられて、日本人の間にあって、少し不安そうなベトナム人のカップルに、お坊さんの枠をやすやす超えたユーモラスな様子で話かけ、彼らはすぐになごみ、とけこんでいました。

 

そのベトナム人のカップルらと私たちのグループが浅草駅界隈の夜回りほぼ終えて、浅草寺の雷門の前に差しかかった時のことです。

 

若いカップルら、思わず嬉しくなって、「浅草のシンボルの大提灯の前で記念撮影したい」とはしゃいだ時も、金田さんは、「撮影しようか」と、彼らのスマホをと自らの手に「かして」と取りました。

 

と、てっきり仲良く並びポーズとる恋人らを撮影するかと思いきや、まず自分の坊主頭の顔を真剣にバチッと思いきり自撮り、カップルの笑いがどッと弾け、それから金田さんは笑みながら、カップルの日本での大事な想い出の刹那をカシャカシャ撮影していました。他の初参加の日本の大学生にも同じくたのしそうな様子で話かけていました。

 

意識しているのかしてないのかわからない、そのさりげない、誰かを友人のように見やってやまぬふるまいを自分もできるようになりたいと、帰りの東海道線の車中でずっと想っていました。   

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